求職者ならびに柔道整復師の養成学校に在学中の方々、このたびは豊田市のらくだ接骨院、求人専門サイトにご訪問頂き、本当にありがとうございます。ここでは、少しでも接骨院への就職をお考えの方々に役立つ情報を、ちょっとずつではありますが、発信していきたいと思います。
今日は、私の経歴のなかでも就職先として整形外科を選択した事がありますので、その時の事を少しだけお話していこうかと思います。
基本的には私の就職先は接骨院への就職ばかりでしたが、一箇所だけ名古屋市内の整形外科に勤務した事がありました(実はほんの1年間だけなのですが…)
元々豊田市出身で豊田市育ち…純血の豊田人である自分にとっては、初めての市外勤務経験となるドキドキの体験でした。
ましてやドクターの元で働く…といった強いプレッシャーを感じながら勤務を開始する事になったのですが、思いの外 当の職場には同じ様な柔道整復師の先輩方も多く、何もわからずに中途で入社した自分を優しくリードしてくれた良い職場でもありました。
やはり会社として営んでいただけあって、その整形外科では福利厚生もしっかり、私が今まで経験したことのなかった社員旅行、慰安旅行なんてのも初めて経験させてもらうこととなりました。
ここまで聞けば、「とてもいい職場に就職できたんだね」と言われそうですが、実際はどうか…と言うと、仕事に少しだけ不満があって、前述の通り結果としては1年で退職することとなりました。
まぁ、大人数が集まった職場でしたので、ちょっとした人間関係のいざこざやスタッフ同士の気持の行き違い…といった問題は付き物です。(逆に一切ない…なんてケースの方が少ないのかもしれませんね。)
しかし、私が辞めよう…と思った理由はそういったところではなく、患者さんのレントゲン画像などが直接観れる機会が少ない事。当たり前ですが、鑑別診断に自分の意見や触診、視診、問診を反映させる余地が全くと言っていいほど無かった…というのが一番大きなところです。
日本の医療業界において、診断する権利があるのはドクターだけです。まぁ当たり前といえば当たり前なのですが、そういった外傷の鑑別診断をする様な機会に恵まれなかったのです。
柔道整復師の養成学校を卒業して整形外科に就職しようとする方に覚えていて欲しい事…それは、「診断技術、骨折などの外傷を磨きに行こう」と燃える様な希望を持って就職先を整形外科にしたとしても、実際にリハビリ室に送られてくる患者さんはみんな診断が確定しているもの。しかもリハビリ室にレントゲン写真が添付されてくる様な事はなく、付いてくるのはカルテとそこに記入されているリハビリの指示だけだったりします。
正直言ってガッカリしました。「なんだ、結局指示を受けて患者さんをマッサージするだけなの?」
「これじゃぁただのマッサージマシンやん」「せめて鑑別方法だけでも身につけて開業する上での経験にしようと思ったのに…」
23歳だった自分の気持ちは会社の福利厚生や給料がいいという反面、将来開業を目指している一人の柔道整復師、整体師としてキャリアと経験を積むには絶望的な状況の中で大きく揺れ動くこととなりました。
専門学校を卒業して豊田市を出てきた訳ですので、「なんか俺も立派な社会人なのかも」…なんて青臭い達成感はありましたが、学びたい技術が学べない…1年経ったとしても自分が成長している自身が無いという事実は、なかなか動かしがたく衝撃的な事実でした。
もちろん、そんな環境下でもストイックに自分を追込み、日々勉強を繰り返しながら成長していく事は出来たんでしょう…ただ、それは「ここでしか出来ない事」とは大きくかけ離れた経験の数々でした。人は環境が育てる…といった事をよく聞きます。これは紛れも無い事実だと今でも感じています。ほら、例えば部活で強豪校に入学したら、そこに入学した人はやっぱり競技する人として数年後には強くなっている事が多いじゃないですか?…やはり、骨折などの重篤な外傷を沢山診れる環境を夢見て就職した割には、あまりにも現実はかけ離れていた…という悲しい現実でした。
だから就職先を整形外科にする…という事が決して悪いことでは無いのですが、注意するべきは、実際に患者さんに接する場合に、「何をどこまでやってもいいのか」や、「どこまで自分の裁量で行なっていいのか」、「具体的な患者さんの層は」、「どういった形で患者さんの傷病を把握していくのか」…など気にする事を挙げていけばきりがありませんが、間違いなく言える事があります。
それは、まず求職者様ご自身が「こういった柔道整復師、整体師になりたい」というビジョンを明らかにして、それを達成するには「今から何を学んで行くべきか」を明確にすることです。
この軸となる部分がはっきりしていないのに、しばらく人生の一部分を預ける事になるであろう就職先をミスマッチなく選ぶ事は不可能に近いです。そこで是非気をつけて頂きたいのは、他人の決めた成功像を自分のの理想に置き換えたりしないことです。
他人に「これはいいよ」と言って押し付けられたものは間違いなく他人の気持ちのフィルターを通っているものです。それはきっと聞かされた時には口当たりのいいものに思えたりするかもしれません。しかし、心の底から望んでいるものでなければじきにガス欠を起こします。だから、今一度自分自身と向き合って、なりたい自分を想像してみてください。就職先として求職者様ご自身が選ぶべき施設は、その理想とする柔道整復師がいる施設なのかもしれませんし、自分の望んだ姿になる為に積むべき最適な技術やキャリアを身につけて行く上で最も適した環境だと思える様な職場なのかもしれません。どの就職先を選んだとしても間違いなく正解なんてことはありませんし、逆に不正解なんてものもありません。(仮にそこが周りから「最低の接骨院だ」と言われる様な職場であったとしてもです)だから気軽に選べ…なんて事を言うつもりはさらさらありませんが、自分の成りたい姿を明確にしていない様であれば、どの職場で働いたとしても、結局は大きな違いは生まれないのかもしれません。国家試験を控えている柔道整復師養成学校の生徒さんからは、「まだこの世界の事何も分かってないから…」なんて声が聞こえてきそうですが、実際はそんな事無いんです。そもそもこの業界を…柔道整復師という資格を志したきっかけは何だったんでしょう?
そこからのスタートでもいいので、一度自分の気持ちを棚卸ししてみてください。それがはっきりすれば、色々な判断を迫られた時にも迷わなくなると思います。決して周りから「ブレている」とは思われなくなります。だから、繰り返しになりますが、自分に正直に成りたい自分を想像してみてください。そこ基準で何の問題も無いんです。「もう社会人なんだから…」なんて急に大人ぶった事をいう必要の一切ないと思います。その芯となる部分をはっきりさせて選んだ就職先でしたら、「あの時の選択が今につながっている」と将来も胸を張って言える様なキャリアになっている筈だと思います。
長くなってしまいましたが、皆さんが素晴らしい整形外科や接骨院、求めていた就職先に出会える事を心よりお祈り申し上げています。